演奏者の皆さんは、スペシャルヴェニュ国際音楽コンクールで入賞し、ニューヨークカーネギーホールとボストンハーバード大学教会にて演奏されます。
11時の部と14時の部がありましたが、今回は11時の部に伺わせていただきました。
■summer、青い珊瑚礁
初めに久石譲作曲の「summer」を演奏されました。感動的で壮大なアレンジでした。2曲目は松田聖子の「青い珊瑚礁」を演奏されました。どちらの曲も気持ちが明るくなるような爽やかな演奏で、午前中の最初のプログラムにぴったりだったのではないでしょうか。
■あんたがたどこさラプソディー
3曲目は「あんたがたどこさラプソディー」を演奏されました。熊本民謡あんたがたどこさのメロディーを基に作られた曲で、大城さんが編曲されました。沖縄県出身の大城さんは、熊本に初めてきた時に阿蘇山などの熊本の山々や自然に感銘を受けられたそうです。その山や自然のエネルギーを古くからの神々に着想し、滅びてまた蘇る命をイマジネーションされ編曲されたそうです。現代風な音作りから、厳格なリズム、篠笛などをイメージする古風な場面など盛りだくさんで、あんたがたどこさから様々な情景が浮き出され非常にききごたえがありました。スクリーンで熊本の景色も映し出されており、より曲の良さを引き出されていました。
■舟歌、リベルタンゴ
4曲目は八代亜紀の「舟歌」をこちらも大城さんの編曲で演奏されました。5曲目はピアソラの「リベルタンゴ」を演奏されました。吉永さんと山城さんのユニットDUO月香の初めて演奏された曲だそうです。エネルギッシュで心が熱くなる演奏でした。
■鳥のように
6曲目は吉永琴美さんの箏の独奏で「鳥のように」を演奏されました。現在高校2年生で、スペシャルヴェニュ国際音楽コンクール入賞者コンサートでもこの曲を演奏されるそうです。繊細な表現から厚みのある音作りまで幅広い表現力で、息吹を感じる演奏だったと思います。鳥のように世界へ羽ばたきたいという思いを込められているそうで、非常に感銘を受ける演奏でした。
■南風
最後に演奏された曲は、本日のメインである「南風」を演奏されました。大城さん作曲で、スペシャルヴェニュ国際音楽コンクール入賞者コンサートでも演奏されます。戦争と平和をテーマにした作品で、琉球音階が使ってあります。沖縄戦について強く曲に意味づけされており、曲の情景について大城さんの朗読と影絵でも表現されました。あたたかい沖縄の人柄と空気が伝わるメロディーと音色の部分や、楽しそうに独特のステップで踊っているような場面。そして戦争が起こっている最中の辛苦し焦燥感に満ち溢れ、逃げ回ったり銃が飛び交うような場面が音楽に取り込まれていました。最後は平和な世の中になるようみんなの祈りが一つになったように感じるストーリー生のある楽曲でした。
■アンコール
アンコールは「愛の讃歌」を演奏されました。アットホームな空間で、お客様や主催者の皆さんも激励されている空気がよく伝わる素敵なコンサートでした。入賞者コンサートでは日本人だからこそ深思し表現できる音楽を、アメリカで快演されますよう私たちも応援しております。
※写真は、使用の承諾をいただいております。