江津山
江津山
レンタルスペース&サロンDOLCEで開催されたロシアより愛を込めて~ピアノ三重奏で聴くロシア~に行ってきました。
龍田川
龍田川
出演はヴァイオリン千葉裕之さん、ピアノ志賀総学さん、チェロ中川幸尚さんです。

<感想>

ヨーゼフ・ハイドン
ピアノ三重奏曲第38番ニ長調 Hob. XV:24
Ⅰ:Allegro Ⅱ:Andante Ⅲ: Allegro, ma dolce
ハイドンはオーストリアの作曲家ですが、この曲はロシアの皇族に捧げられた曲だそうです。優雅でまさに皇族にぴったりでした。それぞれの楽器の音色や音と音の間、緩急なども嗜みながら演奏されているようでした。清楚さと品性を感じ、音楽作りに軽やかさと余裕を感じました。
少し悲壮的でゆったりと一歩一歩歩いて行くような雰囲気から、快速な場面もありました。颯爽としていてもすぐに過ぎて行かずその場に留まらせる力がありました。なだらかに歌う場面や、少し激しく衝動的な場面など様々な顔が見られました。

セルゲイ・ラフマニノフ
悲しみの三重奏曲第1番ト短調
すっと波紋のような弦から始まり、その上をピアノが流れるように音を添えていきました。その後包み込むように雰囲気が変わり、それぞれの嘆きとも取れるような悲壮的なメロディーが印象的でした。音圧が重厚になり、ぐっと引きつけるように熱い場面では重さもありながらどこか開放的で華々しさもありました。粛々と演奏されるピアノの間奏やヴァイオリンとチェロの相乗効果で盛り上がっていくお互いの響きに空間が支配されているようでした。ひとえに悲しみうめき
重々しい感情はダイレクトに来ず、美しさも追求しているように感じました。

アントン・アレンスキー
ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 Op.32
Ⅰ:Allegro moderato
語りかけ、歌うようなヴァイオリンから始まり、チェロも加わり音色が合った時は神聖さも感じました。地底から疼くようなチェロも印象的でした。それぞれ似た音形で呼応し合い、ガッと押し寄せたと思えばなだらかに引いていき、フレーズごとに様々な主張が味わえました。

Ⅱ:Scherzo; Allegro molt
ピアノの軽快で宝石が雪崩れ落ち転がるようなフレーズが素敵でした。また弦のピツィカートを巧みに使い、ポッとどこからか浮き上がる音は愛らしくも掴みどころがなく夢中にさせるものがありました。その後優雅に叙情的に歌う場面は、その前とのコントラストもあり感動的で心が揺さぶられました。

Ⅲ:Elegia; Adagio
優しく切なくたっぷりと歌うチェロから始まり、そっとヴァイオリンが寄り添い、そして混じり合い融合する様が美しかったです。また弦の伴奏で奏でるしんしんと雨だれのようなピアノも印象的でした。柔らかな霧の中に少し緊張感のあるメロディーは派手に主張せず、そっと触れながらもしかし確実に心に入り込んできました。

Ⅳ:Finale; Allegro non troppo
一気に全体が活力的になり、精力的に音の羅列が響き渡りました。弦の乱れず揃う速い音形は圧巻でした。また柔和に夜空の星のようなピアノで奏でる安らかな場面も尊い美しさがありました。弦のそれぞれの旋律は厳かで熱を持っており、最後は厳格に曲が終わりました。

アンコールは「Piece for Illia」を演奏されました。

※写真は御抵抗いただいたものをHPの規格に合わせて使用しています。