今回は、私がコンサートの報告をさせていただきます。
①エリック・モラレス:2本のトランペットのための協奏曲 一楽章
②ジョージ・ガーシュウィン:サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー
③アントニン・ドヴォルジャーク:交響曲第9番「新世界より」二楽章ラルゴ
④トーマス・ドス:コンチェルト・トリコロールよりin love&cool
~休憩~
⑤ジョーゼフ・ホロヴィッツ:2本のトランペットのための古典的協奏曲
Ⅰ.Con brio Ⅱ.Larghetto Ⅲ.Allegro rustic
⑥ケヴィン・マッキー:アンダー・ウエスタン・スカイズ
1 エリック・モラレス:2本のトランペットのための協奏曲 一楽章
1曲目は奏者全員での演奏でした。冒頭は開幕にふさわしい馴染みのあるピアノのメロディーから始まり、トランペットのハモりのない2人の息ぴったりな単旋律が鳴り響いた後、交じり合ったりかけあったり、とても面白い曲でした。この曲は2人のソリストを「対等」にしてあるそうで、どちらも輝けるように作ってあるそうです。ピアノも印象的で、全員がいい意味で目立ち3人ともがソリストのように感じました。
2 ジョージ・ガーシュウィン:サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー
3 アントニン・ドヴォルジャーク:交響曲第9番「新世界より」二楽章ラルゴ
2曲目は、元はミュージカル「Oh,Key」のアップテンポのスウィングの曲でしたが、ガーシュウィンが試しにバラードで演奏したところそれ以降バラードが主流になったようです。今回はトランペットとピアノで演奏されました。事前情報なしで最初聴いていたのですが、これは歌の曲ではなのではないかと聴きながら感じ、曲解説を拝見し納得しました。谷川さんのトランペットで歌っているような表現がよく伝わりました。
3曲目は皆さんよくご存じの新世界より第二楽章です。作曲家のドヴォルジャークはチェコ出身で、谷川さん自身もチェコに留学されたのもあり、とても思い出のある曲だそうです。特に高音でメロディーを演奏されたところは息をのむように繊細で印象的でした。
これらの2曲は、谷川さんのソロステージで、どちらのソロ曲も純粋で濁りのない谷川さんの心が音によく出ていたのではないかと思います。
4 トーマス・ドス:コンチェルト・トリコロールよりin love&cool
4曲目は谷川さんの師匠でもある佐々木さんのソロの演奏でした。2楽章のloveは、あたたかい美しいメロディーのなかにテクニカルかつ繊細な表現が多数ありました。3楽章のcoolは、ジャズ的な要素がありながらもどこか切ない愛着をもつメロディーで会場を魅了し、最後は決然と力強く締めくくりました。この曲の各楽章には独自の音楽的特徴があるそうで、さすが国際的に活動されている佐々木さんは鮮明に表現されていて圧倒されました。
5 ジョーゼフ・ホロヴィッツ:2本のトランペットのための古典的協奏曲 Ⅰ.Con brio Ⅱ.Larghetto Ⅲ.Allegro rustic
5曲目は全員そろっての演奏でした。古典的というだけあって、バッハなどのバロック音楽を連想させる曲で、バロックといえばピアノや弦楽器、チェンバロ等で演奏されるイメージが強いですが、今回トランペットで編曲されていた曲でとても勉強になりました。
6 ケヴィン・マッキー:アンダー・ウエスタン・スカイズ
最後に演奏された曲は西部劇風でトランペットの演奏会にはぴったりなラストの一曲でした。西部劇風でありながらも深みのある曲で、二人のトランペットのハーモニーがマッチし、そこにピアノが美しさに拍車をかけるようでした。終盤は激しくも情熱的でお互いが何かを訴えかけているようにも聴こえました。
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