音楽

【音楽・詳細】 弦楽四重奏の新しい風に行ってきました!(2025.2.9)~ New breeze in string quartets ~

江津山
江津山
レンタルスペース&サロンDOLCEで開催された弦楽四重奏の新しい風に行ってきました。
龍田川
龍田川
出演者はヴァイオリンの柴田恵奈さん、黒木真子さん、ヴィオラの辰野陽子さん、チェロの中川幸尚さんです。

<第一部>

Benjamin Britten / Simple Symphony Op.4
Ⅰ:Boisterous Bourree(騒々しいブーレ)
Ⅱ:Playful Pizzicato(おどけたピツィカート)
Ⅲ:Sentimental Saraband(感傷的なサラバンド)
Ⅳ:Frolicsome Finale(浮かれたフィナーレ)

ピアノ曲をもとに作られているそうで、また題名と各楽章のタイトルも全て頭文字が韻を踏んでいます。
1楽章
決然とした空気から柔らかい表情に変化し、ハーモニーが厚みを持ったりそれぞれ違うパッセージが重なり合ったりなど様々な音が感じられました。
2楽章
全員弦を指で弾くピツィカートで演奏され、スピーディ且つあどけない雰囲気でした。強さや弾き方によってアコースティックギターやウクレレのような音に変化するのも面白かったです。
3楽章
悲壮感漂う1stヴァイオリンのメロディーを包み込むハーモニーが良かったです。重低音の響きが味をつけ物悲しくも少しあたたかさを感じました。
4楽章
切迫したような切り詰めた空気にそれぞれの思いが駆け巡っているようでした。時々切なく美しく、とてもアグレッシブで楽しめました。

Samuel Barber / 弦楽四重奏Op.11より「アダージョ」
ケネディの葬儀で使われ一躍有名になった名曲です。ゆったりとしたメロディーに一つずつ大事にされたハーモニーが進行していきました。息を長く使っているような哀愁漂うメロディーは一音一音にとても重みを感じました。一つの柱のように昇りつめた高音の場面も印象的でした。

<第二部>

Bedrich Smetana / 弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」
Ⅰ:Allegro vivo appassionato
Ⅱ:Allegro moderato alla Polka
Ⅲ:Largo sostenuto
Ⅳ:Vivace

スメタナ自身の生涯を一曲にされた音楽自叙伝だそうです。「私の人生の思い出と、完全な失聴という結末を描いた」と語り、各楽章にスメタナによる楽曲の説明も残されているそうです。
1楽章
何かを訴えかけるような同じパッセージが繰り返され、頭の中でも何度も印象強く鳴り響きました。優しくなったり悲観的になったり、様々な表情が伺えました。
2楽章
スメタナの得意とするポルカは非常にひらけており、高貴な空気に会場が包まれました。はっきりとした意志を感じながらも優雅なポルカを楽しめました。
3楽章
スメタナの妻となった少女への初恋を回想しているそうです。大人っぽいチェロのソロから始まり、少し憂いを帯びたロマンティックな1stヴァイオリンのメロディが魅力的でした。全体を通して淡い思いというよりは、浮遊感もありながら少し執着さえも感じる濃厚な曲でした。
4楽章
チェコの民族舞曲が基調とされており、前半は華やかで、艶やかな様々な音の花びらが舞っているようでした。その後前半とは雰囲気が打って変わり急に切迫した空気になり、難聴を意図する耳鳴りのような1stヴァイオリンの高音が突きつけられました。その後は静寂の中に沈み込むような虚しさが機微に表現されていました。

<感想>

<江津山の感想>
円状になりお互いを見合いながら演奏され、非常に繊細に室内楽を楽しめました。楽曲についても丁寧に説明されており、普段はあまり聴くことのない楽曲でも壁を作らず純粋に触れられることができました。

※撮影は許可をいただいております。