＜第一部＞
1.ベートーヴェン／スプリングソナタ
フルート吉永洋子さん、ピアノ山城英樹さん
曲名通り、春らしい曲でピアノとフルートの美しいメロディが入れ替わるなどしていました。練習曲のような速いパッセージもあり聴き応えがありました。
2.ヴィヴァルディ／歌劇「パヤゼット」より うとまれた妻
ソプラノ﨑元啓子さん、ピアノ山城英樹さん
蔑ろにされたと嘆く悲壮感に溢れた楽曲で、細部まで歌声をこだわられておられる印象でした。
3.ジルヒャー／ローレライ マスカーニ／アヴェマリア
ソプラノ今村陽子さん、ピアノ川元愛さん
カヴァレリアの間奏曲を元に作られたアヴェマリアなど馴染みやすい楽曲を歌われ、美しい歌声が会場中に響いていました。
4.梅本こずえ／練習曲第2番「激浪」、練習曲第3番「歓喜」、Victory
梅本こずえさんご自身が作曲され、ピアノで披露されました。
「激浪」は自然災害に向けての怒りと無力感を表しているそうです。「歓喜」は喜びの曲で、美しいメロディが印象的でした。Victoryは前向きに頑張れば良いことがあるというメッセージが込められ、明るくおしゃれで現代風な楽曲でした。
5.石川啄木 作詞、越谷達之助 作曲／初恋
ソプラノ﨑元啓子さん、ピアノ山城英樹さん
石川啄木の短歌「初恋」に 越谷達之助が曲をつけられました。ピアノのロマンティックな伴奏に、初恋の痛みをとても切なく歌われていました。
6.シューベルト／月に寄せて 野上彰 作詞、小林秀雄 作曲／落葉松
バリトン澁谷暢達さん、ピアノ森田真澄さん
月に寄せてはタイトルに「月」という言葉がありますが、詞にはその言葉は出てこないそうです。語りかけるように歌われていました。合唱曲でも有名な落葉松は男声ならではの澁谷さんの声の深さがとても印象的でした。
＜第二部＞
7.梅本こずえ／炎のエール
こちらも梅本こずえさん作曲で、姪っ子の大下紗和花さんとのピアノ連弾で披露されました。とてもかっこいい曲で、途中で低音と高音の人が入れ替わったりなどのパフォーマンスもあり会場を沸かせました。
8.モリコーネ／ニュー・シネマ・パラダイスメドレー
フルート吉永洋子さん、ピアノ山城英樹さん
映画ニュー・シネマ・パラダイスより「ニュー・シネマ・パラダイス」「初恋」「愛のテーマ」を演奏されました。繊細でロマンティックな世界観に会場が引き込まれました。
9.ヴァヴィロフ／カッチーニのアヴェマリア
ソプラノ﨑元啓子さん、フルート吉永洋子さん、ピアノ山城英樹さん
祈るように歌われたこちらのアヴェマリアは３人のハーモニーが寄り添い合いとても素敵な演奏でした。
10.シューマン／待雪草、胡桃の木
谷川俊太郎 作詞 伊藤康英 作曲／きりなしうた
野呂昶 作詞 伊藤康英 作曲／そこにあなたがいてくださることは
ソプラノ大澤としこさん、ピアノ福重真紀さん
待雪草の花言葉は「希望」「慰め」、胡桃の木は乙女心を歌った歌だそうで、どちらもとても美しい楽曲でした。一方きりなしうたは先ほどのクラシックと打って変わってユーモア溢れる歌詞で、コミカルな歌い方とともに会場を笑わせておりました。ギャップがとても良かったです。そこにあなたがいてくださることはは、大切な人を思う心情が歌を通し
てよく伝わりました。
11.ラヴランド／You raise me up
ソプラノ今村陽子さん、大澤としこさん、フルート吉永洋子さん、ピアノ川元愛さん
今村陽子さんの歌唱とピアノ川元愛さんから始まり、次にフルート吉永洋子さんも増え、後半は大澤としこさんも加わり、どんどん曲が盛り上がり感動的でした。You raise meupとは「あなたは私を勇気づける」という意味だそうです。題名にぴったりの演出と演奏でした。
12.木村弓／世界の約束 草川信／夕焼け小焼け
指揮 岩本義久さん、ピアノ今津承喜さん、フルート吉永洋子さん
コーラス 平山聖子さん、渕本素宜子さん、山内まり子さん、村田桂子さん、今村陽子さん、梅本こずえさん、大澤としこさん、﨑元啓子さん
最後はコーラスで締め括られました。どちらも馴染みがある曲でコーラスの皆さんのハモリが大変美しく、非常に聴き心地が良かったです。素敵な世界観と余韻を残しコンサートの幕を閉じられました。
＜感想＞
大阪音楽大学同窓会の皆さんのコンサートということで、全員一丸となってこのコンサートを盛り上げようという気持ちが伝わりました。賛助出演の方々も含め、素晴らしい演奏家の方々ばかりでした。「音の輪」という言葉通りのお客さんと奏者が心で繋がったあたたかなコンサートだったと思います。
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