<第一部>
第一部は谷川さんのソロ演奏でした。
☆ トランペット吹きの休日/ルロイ・アンダーソン
原曲はトランペット3本で演奏する曲ですが、今回は谷川さん1人で演奏され休む暇なくすごかったです。忙しなくも明るく、巡るましい中でも様々な音色を表現されていました。晴々としたオープニングでした。
☆ 愛の歌/オスカー・ベーメ
抒情的なピアノの前奏から始まり、トランペットの美しい愛のあるメロディーが印象的でした。粛々と雰囲気のある場面と、盛大に音楽が広がる場面がありコントラストが非常に良かったです。
☆ Share My Yoke/Joy WEEB
原曲は讃美歌で、今回教会で演奏するということでこの曲を選曲されたそうです。物思いにふけれるようなじーんとくる切ないメロディーは、ピアノと一緒に語りかけるように聴こえました。トランペットの高音もとても美しかったです。
☆ 朧月夜/岡野貞一
ピアノのイントロから泣かせにくるような素敵なアレンジの曲でした。馴染みのあるメロディーですが、響きや音圧を非常に大事に意識されている印象でした。トランペットだからこそ伝わるまろやかさと決然さがあり、感動的でした。
☆ 歌劇「ノルマ」の主題による変奏曲/アーバン
前半はゆったりとしており、ゆらしや流れを大事にされているようでした。カデンツァなども盛り込まれており歌うことがメインな印象でした。後半はテンポも上がり、歯切れ良くなりました。曲調は明るいですが、細かい動きや連符など技巧的な場面が続き流れ良く圧巻の演奏でした。
<第二部>
☆ カズンズ/H.L. クラーク
トランペットと、トロンボーンの柏尾さんとピアノの演奏でした。お互いのハモリのカデンツァは勇敢で美しかったです。対旋律のようになったりまた一緒に進行したり、その中でゆらしたり速くなったりなど小節ごとにテンポの移り変わりが多かったのですが、お互いを信頼し合って演奏されてるのがよくわかりました。
☆ SONATA/Francis Poulenc
ピアノ伴奏無しの、トランペット、トロンボーン、ホルンの藤澤さんの3人のトリオの演奏でした。3つの楽章がありましたが場面がコロコロ変わり面白みがありました。3人のハモリやハーモニーが安定しており、それぞれの役割が確立しているように思いました。聴きやすくチームワークがしっかりあるアンサンブルだったと思います。
☆ レクリエーション/P. ガベーユ
最後はピアノも加わり全員で演奏されました。
1楽章はトランペットの旋律を筆頭にハモリで3人ともぴったりでした。メリハリのあるリズムが何かが始まるようなワクワク感がありました。
2楽章は1楽章とは真逆の音色でまろやかでゆったりとしており、不思議な白昼夢にまどろんでいるようでした。トランペットのミュートの音も世界観に味を出していました。
3楽章は疾走感とスピード感がありながらもまとまりが強くエネルギッシュで聴きごたえがありました。全体を通してピアノも大曲を演奏されているかのように豪華でした。
☆ アンコールは谷川さんのトランペット独奏で「アメイジング・グレイス」を演奏されました。
<感想>
谷川さんの大学時代の先生や後輩の皆さんとの演奏でチームワークもしっかりしておりとても安定感があり、この関係性だからこそ出る音楽の良さが滲み出ていました。MCはとても和やかに、ソロ演奏は気が引き締まっておりギャップも良かったです。お客さんも満員で大変満足されており素敵なコンサートだったのではないでしょうか。
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