<第1部>
モーツァルト/交響曲第31番 ニ長調「パリ」K.297
第1楽章 Allegro assai
第2楽章 Andante
第3楽章 Allegro
この曲では篠崎さんは指揮を振られました。堂々とした場面や滑らかで美しい場面など様々な表情がありましたが、総じて全て輝かしい印象を受けました。流れの一つ一つの方向性がはっきりと見えました。音のふわっとした響きやハーモニーの大切さが良くわかり、華やかで細かい音一つ一つがとても聴いていて気持ちよかったです。
<第2部>
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調K.207
第1楽章 Allegro moderato
第2楽章 Adagio
第3楽章 Presto
篠崎さんがヴァイオリンのソリストと指揮を同時にされていました。花のように優しく軽やかに曲が始まり、透き通るように美しく楽しそうに歌っているヴァイオリンのソロが始まりました。聴いている側もとても嬉しくなってくようでした。溶けていくようなカデンツや、深いパッセージ、厳格であったり繊細であったりするフレーズなど全てが鮮明に感じ取れました。指揮とコンマスの船津さんの合図を元に流れよく進んでいき、一つ一つ素敵な音色で、目的地まで闊歩して行く様子が伺えました。
<第3部>
メンデルスゾーン/交響曲第4番 イ長調「イタリア」Op.90
第1楽章 Allegro vivace
第2楽章 Andante con moto
第3楽章 con moto moderato
第4楽章 saltarello : Presto
最後のプログラムは、篠崎さんがコンマスの席に座り、コンマスとして演奏されながら音楽を動かしていかれました。それぞれのフレーズが広々と浮かび上がって聴こえ、厚く何重にも音の層が重なり荘厳になっていきました。少しミステリアスな雰囲気も味わい深かったり、優しい音の風に包み込まれながらも柔らかさの中に明確さも感じられました。最後は非常に厳格であり熱くもオーケストラの美しさは保ったまま、様々な場面はありつつも一直線に音楽が同じ方向に向いていた演奏でした。
<感想>
<江津山の感想>
篠崎さんの指揮や演奏されながらの音楽の持っていき方が、どう演奏したらいいかがわかりやすく、気迫と優しさどちらも見受けられました。オーケストラもそれについて行き、非常にまとまりを持っていました。なかなかお目にかかれない篠崎さんの、言葉で言い表せないくらい素敵な演奏を待ち侘びていたかのように会場も満席状態で、音楽って素晴らしいものだと改めて感じさせてもらえるコンサートでした。
※写真は御提供いただいたものを使用しています。