プログラム1番目は木内さんの朗読マラルメの詩と共に、フルートとピアノでルーセルの「笛吹たち」を演奏されました。
鈴をつけた天使:高音が目立ち不思議なメロディーが流れ、音が巡っていく様子が心地よかったです。
用心深い天使:軽快で音がコロコロ動き目まぐるしい印象でした。
希望に満ちた天使:エコーがかったような朗読でとても斬新でした。音楽も美しく神秘的でした。
世界を取り巻くロンド:寄せては返す音圧の波が印象的で、最後のフルートの微かな音の伸ばしも聴き入りました。
詩の朗読も落ち着いた声で不可思議な世界観に引き込まれました。
続いては「ことばあそび」に合わせてお客様と身体遊びということで、木内さんとお客様と皆でワークショップを行いました。グループで集まったり、だるまさんが転んだなどで遊び沢山動き回りながら一期一会の交流が深まりました。その後は工藤直子さんの詩の「ほしのこもりうた」や「うた」、「せみのなつ」、谷川俊太郎さんの詩「このへん」、「たね」などをユーモアたっぷりに皆さんで朗読をし合いました。「せみのなつ」は蝉の鳴き声を真似て皆さんで鳴き合うなどをし、笑いが溢れる時間でした。
休憩中は桐田さんの香り高く味わい深いコーヒーを振る舞っていただき、BGMで大村さんと藤本さんが演奏され、至福のひとときを過ごしました。
続いては宮沢賢治の「やまなし」を木内さんが朗読されました。蟹の兄弟の日常の風景を描いた作品で、それぞれのキャラクターの声色や表情をわかりやすく繊細に表現されていました。また、癒し系の効果音の打楽器などを自由参加でお客様が鳴らし、木内さんの朗読と楽器の音でまるで海の中にいるようなとても幻想的な空間に包み込まれました。
最後のプログラムはライネッケ作曲「ウンディーネ」の1、3、4楽章を大村さんと藤本さんのお二人で演奏されました。
1楽章はピアノの軽快な動きとなだらかなフルートのメロディーの対比が美しかったです。同じようなパッセージでも雰囲気や厚みが変化していました。海の深さやゆらぎ、水泡のようなものや海の中での様々な変化が感じ取れました。
3楽章は愛をテーマにされているそうで儚くも強く美しい音楽でまろやかな空気が流れ、少し激しく動いた後、また穏やかにあたたかい時間が流れました。
4楽章は突き詰めるような曲調でも強く艶やかで、切迫した空気感に飲み込まれました。心の芯まで掴みにくるようなフルートの音色に魅了されました。最後は花を添えるように穏やかで切ない音の伸ばしで曲の終わりを迎えました。
<感想>
<江津山の感想>
時間と空間を一気に集中させる素晴らしい演奏と朗読のみならず、交流や笑いありのコミカルな時間や、美味しいコーヒーと和める時間を提供していただきました。とても斬新で素敵な機会をいただき、お客様も終始楽しんでおられる様子が伺えました。
※写真掲載は承諾をいただいております。