<プログラム>
三重奏曲第4番 変ロ長調Op.11「街の歌」(Ludwig van Beethoven)
荒城の月(瀧 廉太郎)
―休憩―
ピアノとチェロのためのソナタOp.36(Edvard Grieg)
悲愴三重奏 ニ短調(Michail Glinka)
○ 三重奏曲第4番 変ロ長調Op.11「街の歌」(Ludwig van Beethoven)
<中川さんによる曲の解説>
これは、ベートーヴェンがウィーンに行ってから作曲したもので、かなり若い頃の曲です。
当時ウィーンでは、あるオペラの一節が非常に流行っていて、街中でみんなが歌っていた、それから「街の歌」という題名がついているんですけれども、この「街の歌」はドイツ語の別名で、「ガッセンハウアートリオ」と言います。「ガッセンハウアー」とは、流行歌という意味なので、「流行歌三重奏曲」と言うこともできるのかもしれません。
なぜ「流行歌三重奏曲」なのかと言うと、この曲は3つの楽章からなります。その一番最後の終楽章のテーマが、当時流行していたオペラのアリアの一節のテーマを元に、形を変えていく変奏曲でできている、そこから「街の歌」と言うタイトルが付けられました。
3楽章も、こんな曲が街に流れていたらいいな、と思いました!
○ 荒城の月(瀧 廉太郎)
<古澤さんによる曲の解説>
2曲目はクラリネットソロで、皆さんもご存知の「荒城の月」を演奏しますが、私なりの解釈でお話をさせていただいて、演奏したいと思っています。
荒城の月は大分県の竹田岡城をイメージして作られたと言われていますが、その竹田岡城は、春には桜の花が咲き、人々はお花見に出かけます。お花見の席ではお酒を酌み交わし賑やかに過ごします。ところが、秋になれば戦が始まります。そのお城は、お花見の時とは打って変わって、人々が命を失う戦場となり、お城は荒れ果ててしまいます。ところが季節はまた巡ってきて、春になり、桜がまた見事に咲きます。
私たちの地元には熊本城があります。春に地震があっても、またコロナが急拡大してもお城はそのままありますし、夜になるとその上には月が煌々と光を放ちます。お花見の時も、戦の時も、地震の時も、コロナ拡大の時も、いつも暖かく光を放っている、こういう月を私は連想します。月の尊さに気付かされる、そのような曲だと私は解釈しました。
後半部分は、次回の記事でご紹介いたします。お楽しみに!
後半アップしました! → リンクはこちら!
<場所>
会場:レンタルスペース&サロン DOLCE
住所:熊本市中央区本荘6丁目12-31
※ こちらの写真は、中川様からいただきました。