文化

【文化】 永青文庫展Ⅵ 「仙厓」 細川護立禅画コレクション・練兵町の「肥後の里山ギャラリー」で開催中!(2021.10/11~11/27) -大学生のユリがレポート!-

ユリ<大学生>
ユリ<大学生>
こんにちは!大学生のユリです! 肥後の里山ギャラリーで、江戸時代の禅僧である「仙厓義梵(せんがいぎぼん)」の作品を観てきました!
龍田川
龍田川
現在、肥後の里山ギャラリーでは「永青文庫展Ⅵ 仙厓 細川護立禅画コレクション」が開催されています。作品には、学芸員さんが書かれた丁寧な解説があり、作品を理解するのにとても役立ちます。
ユリ
ユリ
今回は、「仙厓(せんがい)」の生涯に関わる作品で私が特に関心を持ったいくつかの作品について紹介していきたいと思います。
龍田川
龍田川
仙厓は、江戸時代後期に福岡博多の聖福寺123世住職を務め、禅の心を伝える書画を多く描いたことで知られる人物です。 なお、撮影は許可を得た範囲で行っており、個別の作品については、文章のみの紹介となることをご容赦ください。



第1部 仙厓の生涯

龍田川
龍田川
それでは、まず、仙厓の生涯に関わる作品展について紹介していきます。

<武渓老師安居図(文政5年・紙本墨画)>
〇 いおりの中に和尚さんがいらっしゃいます。この方は仙厓が青年期に修行していた東輝庵(横浜市)という寺の住職月船で、この月船が非常に厳しい人だったということを懐古した作品だそうです。

ユリ
ユリ
仙厓の作品の中で修業時代を懐古した作品は珍しく、護立は自分のコレクションのなかでこの絵が一番好きだと言っていたそうです!

<竹図(19世紀)>
〇竹が水墨で書かれています。仙厓は、線を少なくし、ユーモラスな絵が多いことから、一見、絵があまり上手ではないという印象をもつ方も多いそうですが、実際にはきちんとした水墨技法を学んでいたそうです。

ユリ>
ユリ>
今回の展示作品の中では植物の作品は少ないですが、植物の描写をみると、とても達筆であることがわかりました。

<花見図(19世紀・紙本墨画)>
〇「楽しみは花の下より鼻の下」という文字の下には、花見よりも宴を楽しんでいる民衆の姿が描かれています。鼻の下とは、鼻の下にある口のことで、飲み食いを表しているとのこと。

ユリ
ユリ
仙厓は60代で、聖福寺住職を引退し、民衆と親しく関わるようになったことで、このような親しみを込めた作品も描くようになったそうです。

<絶筆の碑図(19世紀・紙本墨画)>
〇人々が仙厓にたくさんの絵を求めるようになり、それに辟易した仙厓は、絵を描くことをやめると宣言して絶筆の碑を建てました。すると、その噂が広まって、逆に最後の絵を求める人が殺到したので、仙厓は絶筆の碑の絵を描いて渡していました。

ユリ
ユリ
結局仙厓は絶筆することができずに最期まで絵を書き続けたそうです。すごい人気だったことがわかりますね。
龍田川
龍田川
仙厓の生涯に関わる作品は12点紹介されていました。上記であげさせていただいたもの以外も、ちらしで紹介されていました「都府楼図」をはじめ素晴らしいものばかりでした。

1 武渓老子安居図 2 出山釈迦図 3 坐仏図 4 龍潭徳山図 5 寒山拾得図 6 竹図 7 花見図 8 鏡餅と鼠図 9 都府楼図 10 西都旧跡図巻 11 絶筆の碑図 12 達磨図


第2部 護立の禅画蒐集

龍田川
龍田川
今回展示されている仙厓の作品は、細川家16代当主の細川護立がコレクションで、護立は、特に白隠と仙厓の作品を愛好し収集していたそうですが、護立は、何で、白隠(1686〜1769)や仙厓の作品を収集するようになったんでしょうか?
ユリ
ユリ
護立は、青年期は病弱だったそうです。その時に、仙厓と並ぶもう1人の禅画の巨匠・白隠(はくいん)の「夜船閑話」(病を克服する秘要を書いたもの)を読み、不思議と病状が回復したとのこと。そこから、まず、白隠の作品を集めるようになったとのこと。
龍田川
龍田川
そこから、仙厓の作品収集にまで広がっていったきっかけは?
ユリ
ユリ
護立は白隠の禅画の収集を通じて禅宗の研究家たちと友人関係にあり、その人達から仙厓を勧められたそうです。さらに「人形売り図」という仙厓の作品を初めて見て、とても面白いと興味を持ち、仙厓の作品を収集するようになったとのことです。

<人形売り図(19世紀・紙本墨画)>
〇 さおの両端に籠を下げて、男性が何かを売っています。籠の中には、実は、人形が入っています。この永青文庫展Ⅵのチラシの表紙でも紹介されています。

ユリ
ユリ
白隠の作品だけを集めるつもりだったという護立が、仙厓にハマるきっかけになったのが「人形売り図」だったんですね! 人形売りの声が聞こえてきそうな絵ですね!。

<龍虎図(19世紀・紙本墨画・二幅対)>
〇 龍虎が描かれています。現存唯一の仙厓の襖絵(現在は掛軸)だそうです。龍や虎と聞くと、普通、威厳、迫力、神聖さなどを感じさせるものを想像しますが、仙厓の龍虎図は非常にユーモラスです。虎の部分は、チラシの裏面の左下隅にも掲載されています。

ユリ
ユリ
虎が猫のように見え、また、龍も可愛らしく感じました(笑)
現代の大学生の私から見れば、全体的に緩くて可愛い作風だなあと感じました。仙厓さんなら、このような感想でも許してくれると思います。
龍田川
龍田川
護立の禅画蒐集に関わるものは14点紹介されていました。上記であげさせていただいたもの以外も、ちらしで紹介されていました「指月布袋図」をはじめ素晴らしいものばかりでした。

13 『墨美』110号 細川護立 利き手西村南岳「仙厓コレクションを語る」 14 夜船閑話 15 白隠墨蹟 16 人形売り図 17 細川護立自筆 人形売り図書付 18 老子出関数図 19 朝顔図 20 指月布袋図 21 野雪隠図 22 不動明王図 23 一行書 24 大原女図 25 冨田溪仙筆 仙厓禅師図 26 龍虎図

ユリ
ユリ
全体的に仙厓の作品は緩くて柔らかい感じで、仙厓がどういう人だったかが絵を見て伝わってきました。皆さんもぜひ足を運んで、仙厓のゆる可愛い作品を楽しんでみてください!

◇ 肥後の里山ギャラリー
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