<プログラム>
F. ドヴィエンヌ/6つの協奏的二重奏曲 作品3より 第4曲
A. スティーヴンソン/2本のファゴットのための小協奏曲
M. ピーター/ファゴット奏者のバー
N. リムスキー=コルサコフ/熊蜂の飛行
C.L. ディーター/2本のファゴットのための協奏曲より 第1楽章
G. ロッシーニ/歌劇「セビリアの理髪師」から6つのアリアより 東の空が微笑み・今の歌声は・私は街の何でも屋
A. スティーヴンソン/三重奏曲3本のファゴットのための
<感想>
F. ドヴィエンヌ/6つの協奏的二重奏曲 作品3より 第4曲
Ⅰ. Allegro
穏やかなお二人の音色が呼応し合い、それぞれ尊重し合いながら音楽が進んで行きました。同じパッセージが二人で重なり合った滑らかなハーモニーはとても印象的でした。
Ⅱ. Rondo
軽快で軽やかな雰囲気でした。コロコロと交互に音が動く様は目まぐるしくも落ち着いており、楽しめながら聴けました。
A. スティーヴンソン/2本のファゴットのための小協奏曲
Ⅰ. Poco lento-Allegro bucolico
お互いが深く歌い合われたあと、一気にリズミックに変わり少し風変わりな行進曲にも聴こえました。かっちりしたと思えば悠々と広く音の広がりを見せるなど、曲調の雰囲気の変化も楽しめました。
Ⅱ. Andante flessibile
子守唄の二重唱を聴いているようでした。しかし、お互いの己の主張ははっきりとしており優しさと凛々しさを感じました。緩急も息がぴったりで、2人のメロディーが重なり合った時の熱が伝わりました。
Ⅲ. Allegro spiritoso
少し中華風な雰囲気に変わり、短い時間に大胆にアグレッシブさが見られ爽快に曲が終わりました。
C.L. ディーター/2本のファゴットのための協奏曲より 第1楽章
全体的に爽やかで心癒されるような雰囲気でした。速いパッセージや動きが多くても、それをむやみにに浮上させない安定感と柔らかさがありました。丸みがあり美しくゆったりと音楽が流れていきました。
G. ロッシーニ/歌劇「セビリアの理髪師」から6つのアリアより
東の空が微笑み・今の歌声は・私は街の何でも屋
東の空が微笑み:伸びやかに歌う場面と、パッと明るくテンポアップし流れよく生き生きと活力溢れる場面の差が面白かったです。
今の歌声は:ゆらしやそれぞれの呼吸の合わせがとても聴いていて心地よかったです。動きが激しいパッセージはとても見入りました。
私は街の何でも屋:毅然としていながらも遊び心を要所要所に感じました。それぞれの音が飛び交ったり、ばっちりと音が重なり合ったりなど圧巻の演奏でした。
ファゴットメインのアンサンブルは中々聴く機会が少なく、いろんな曲が聴けて良かったです。
音域もかなり広くあり、曲中も様々な役割を果たしており可能性が沢山ある楽器だなと思いました。ファゴットの誰しもを見境なく包んでくれるような音色には魅了され、心地よい時間を過ごせました。お二人とも熊本県出身の先輩後輩で、終始和やかであたたかなコンサートだったと思います。
写真は、ご提供いただいたものを使用しています。
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