■20世紀末のトロンボーン作品の大曲【トロンボーンとピアノのためのソナタ(E.イウェンイゼン)】
(寺本昌弘さん)「この曲の大きな特徴はトロンボーンとピアノが対等な役割を担っていることです。題名の”for Trombone and Piano”のとおり、これは2つの楽器による緻密なアンサンブル。」
ピアノも中々弾きにくい譜面だそうで、北村さんもコンサートのために相当練習されたんだとか。ゆったりとしたメロディーが流れる20分ほどの大曲で、寺本さんも「(この曲を)こうやって皆さんにご披露できて大変嬉しいです。」と話した。
■ラストは【協奏曲「リトルカウボーイ」(A.ディロレンツォ)】
若きカウボーイの1日を描いたような活気あふれる音楽。1つの楽章にたくさんのシーンが詰め込まれています。
・町にお出かけ ・ベーコスの町 ・牧野にて ・駅馬車 ・投げ縄 ・牛に引きずられる ・家路につく ・大騒ぎ!
(寺本昌弘さん)「この曲は一度も暗い響きになりません。お話の中で誰も死にません、怪我もしません。楽しい曲で、場面を想像しながら聴いて頂けると楽しいと思います。」
ピアノソロ部分とトロンボーンソロ部分の両方ありました。聴きながら情景の想像ができ、西部劇や映画音楽を思わせる、聞き応えある演奏でした。
○タイトル「Ordinary」に込められた想い
(寺本昌弘さん)「Ordinary」とは、普通・当たり前・平凡なという意味です。1、2年前はマスクを付けずにこんなに集まって音楽会なんてできなかったですよね。願わくば、こういう普通がいつでもできるように、というメッセージも込めてこのタイトルの公演会を企画しました。
これまであまり馴染みのなかったトロンボーンの色んな顔を見ることができた素晴らしいコンサートでした!
<プログラム>
- ボリバル(E.クック)
- 変ホ短調の小品(J.G.ロパルツ)
- アローズ・オブ・タイム(R.ピースリー)
- アリアとポロネーズ 作品128(J.ジョンゲン)
- トロンボーンとピアノのためのソナタ(E.イウェンイゼン)
- 協奏曲「リトルカウボーイ」(A.ディロレンツォ)
――アンコールーー
夜のしじまに
※ 写真の掲載は承諾を頂いております。